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川口春奈・目黒蓮『silent』の「倍速で見られない」仕掛け!Tver登録者数が『PICU』の2倍以上、圧倒的な成功を導いた理由とは?

※画像はフジテレビ『silent』公式サイトより
※画像はフジテレビ『silent』公式サイトより

 川口春奈(27)主演の木曜劇場silent』(フジテレビ系)の第10話で、川口と目黒蓮(25)の手話による会話シーンで、涙腺が崩壊したという視聴者が続出。その要因は、視聴者の登場人物や物語への感情移入を誘う、ほかのドラマにない演出方法にあるようだ。

 同ドラマは、連ドラを初めて手掛ける新人、生方美久氏によるオリジナル脚本。主人公の青羽紬(川口春奈)と、理由も言わずに一方的に別れを告げて去っていった、かつての恋人・佐倉想(目黒蓮)が8年の月日を経て、音のない世界で出会い直すラブストーリー。

 12月15日放送の第10話は、想は紬との距離が近づいていく中で、笑顔を見るたびにうれしくなる反面、ふと、彼女の声が自分に聞こえてこないことを寂しく感じてしまう。そして、自身の“若年性発症型両側感音難聴”と“遺伝”について検索し、深刻そうな顔つきでパソコンの画面を見つめる

 一方、紬は、親友の横井真子(藤間爽子/28)から、「なんで(想と)つきあわないの?」「いざとなると躊躇あるの?」と問われる。紬は、時々、寂しそうにする想の様子を心配し、「たぶん、言いづらいことあるんだと思う」「ノンキに“つきあってください”とか言えないよ」と答えた。

 そして、ラストシーンで、紬に名前を呼ばれ、その声にうれしそうな表情を浮かべる、高校生の時の想の回想シーンのあと、想が紬の部屋で、紬の声を思い出せないと告白。「紬の声が聞きたい。もう聞けないなら、また、好きになんて、ならなきゃよかった」と涙する想に紬は……という展開だった。

■なぜここまでの人気作になった?

 視聴者のツイッター上の反響は、「手話での会話シーン、周りの話し声とか生活音とかも全部ない、本当に静かなシーンに字幕だけの演出だからこそ、よりリアルに感じる事ができるし、当事者に感情移入してしまうし、苦しいぐらい引き込まれる」など、手話による会話シーンに称賛の声が相次いでいた。

 今回の平均世帯視聴率も8.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調だが、驚異的なのが見逃し配信「TVer」のお気に入り登録者数だ。246万人(12月20日現在)と、2位の『PICU』(フジテレビ系)の2倍以上の数字を叩き出しており、再生回数も同局の歴代最高記録を更新。1人でじっくり見る視聴者が多い配信で好調なことから、熱心なファンが多いことが分かるが、なぜここまで支持されているのだろうか?

「手話シーンの影響が大きいんだと思います。会話のスピードが一般的なドラマよりもゆっくりなうえ、テロップが流れるため、視聴者が画面に集中する、というかせざるをえない。“ながら視聴”がしづらい演出のため、結果的にキャラや物語に感情移入するようになり、作品への思い入れが強くなる結果につながったのでしょう」(テレビ関係者)

 もちろん、生方氏の脚本、俳優陣の演技の力も大きい。しかし、視聴者から「引き込まれる」という反響があるように、手話会話よる効果が後押ししたというのは、可能性として十分にある。

 最近は山場をいくつも用意するなど、派手な展開を見せるドラマが支持される傾向にある。たとえば今期放送のドラマでは、主人公たちが何度も大きなピンチにぶつかる、日曜劇場『アトムの童』(TBS系)がいい例だろう。誰かが死ぬわけでもなく強大な敵を倒すこともない、きわめて静かな『silent』がここまでのヒットになったのは、手話という手法も含め、画期的なことといえるだろう。

参照元:https://dailynewsonline.jp/