この漢字なら見たことがある!と思ってしまう方も多い、「殆し」。
よく見ると「あれ?」と感じることがあるでしょう。意外にサラッと読めない難読の漢字かもしれませんよ!
多くの方は、“ほとんど”の「殆ど」で目にしたことがあると思っているでしょう。
その漢字と同じではあるものの、送り仮名が“し”となっただけで別物になります。途中までは“ほとんど”と同じ読み方をしますよ。
「殆し」は、「ほとほとし」という読み方をします。初めて聞くような読み方ではあるものの、どのような意味をもつのか次で見ていきましょう!
(『広辞苑』より)友だちや同僚と会話するうえで、あまり登場することはない「殆し」。
意味は3つあります。「ほとんど……しそうだ。すんでのところで……である」
「もう少しで死にそうである」
「極めて危うい」といった感じです。意味的には厳しい状況をさす言葉になり、あまりいい場面で使う言葉ではありません。
しかし、知っておくと非常に知的な印象を与えるでしょう。殆しの“ほとほと”とは、辺や側といった「ほとり」のもととなった「ほと」を重ね、「ほとほと」という言葉が生まれました。
「もう少しで」という意味ももち、このことから「危ういところで」「だいたい」といった意味としても使われるようになりました。
しかし、「だいたい」は「殆ど」の意味として変化しています。
ちなみに、「殆ど」は「殆し」が音だけ変化したものです。語源はすべて「ほとほと」からきているので、一緒に覚えておくといいでしょう。
(『広辞苑』より)