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親ガチャ大当たりを捨て、巻き込まれる「欲望」と「悪意」の渦

親ガチャ大当たりを捨て、巻き込まれる「欲望」と「悪意」の渦【Re:リベンジ-欲望の果てに-第1話】
親ガチャ大当たりを捨て、巻き込まれる「欲望」と「悪意」の渦【Re:リベンジ-欲望の果てに-第1話】

※このコラムは『Re:リベンジ-欲望の果てに-』1話までのネタバレを含んでいます。

■親ガチャ大当たりを捨てて生きる男・海斗

日本屈指の大病院である、天堂記念病院を舞台に巻き起こるこのドラマ。初っ端からとにかくさまざまな人物の欲望や思惑が渦巻き、ぶつかり合いまくっています。ドロドロの序章となる、第一話を振り返っていきましょう。

主人公の天堂海斗(赤楚衛二)は天堂記念病院の理事長・天堂智信(光石研)の息子。日本有数の大病院の息子となれば、富も名声も約束された人生イージーモードで“親ガチャ大当たり!”な人生。と思いきや、病院や父とは縁を切り、出版社で働きながら慎ましく暮らしています。

元々は医師を目指し、父のように多くの命を救いたいと思っていた海斗。しかしながら、大病院の理事長の椅子を守ろうと、地位や名誉にすがりつく父の姿に絶望したことをきっかけに、医学部を中退して記者となり、病院や父から決別をして生きることを決めたのでした。

■ポストを守るため、半端ないフッ軽さを見せる女・市子

病院はとにかく院内政治で荒れています。その最たる人物は、天堂家の娘であり医師でもある天堂市子(余貴美子)です。天堂家の血縁ではない婿養子・智信が理事長を務めることを面白く思っておらず、隙あらばと理事の椅子を狙っています。

天堂記念病院で進めようとしているプロジェクトの責任者兼理事に息子の海斗を抜擢し、ゆくゆくは病院の跡取りに、と考えていた理事長・智信。

しかしそれを阻むため、「智信が理事長のポストを守るために、海斗を利用している」と、市子は疎遠だった海斗の元にわざわざ訪れて吹き込むほどの行動力。理事長の椅子を奪うためなら地球の裏側ブラジルまででも訪れそうな勢いです。まじでフッ軽。

加えて、市子は会長・皇一郎(笹野高史)に自分の息子・佑馬(青木紬)をプロジェクトの責任者兼理事に! と直訴し、院内の地位を確立しつつ虎視眈々と次期理事の座を狙います。

しかし残念なことに佑馬はポンコツで、能力を見て公平に人選を行う会長のお眼鏡にはかなわず。息子は市子のコマとしてうまく機能しません。

市子のことですから、佑馬を医師にしようとしたはずです。しかし、佑馬は一職員っぽいので、そこも失敗しているのでしょう。

■海斗が抱いていた父の姿とは正反対の真実

そんな中、海斗は父についての真相を知ることとなります。

出版社の同僚が見せてくれた天堂記念病院の特集記事。そこには理事長である父・智信の計画や思いがつづられていました。

昔、重い心臓病を抱えた少年がいたが、心臓血管外科のない天堂記念病院ではその子を直接救ってあげることができず、他の病院にお願いする他なかったこと。また、採算が取れないことを理由に、心臓血管外科をもつ病院は少ないこと。だからこそ、心臓血管外科を設立すことが天堂記念病院がやるべき事業だと考え、子どもたちの未来やあの日の少年との約束を果たすために自らのキャリアをかけてきたのだということ。

そしてその、約束を果たしたい心臓病だった少年というのが、海斗のことなのです。

■変わったのは父ではなく自分だけだったという悲劇

そこには海斗が父に抱いていた姿とは、全く逆の思想が書かれていました。

父は、自分の名誉のために理事長のポストにすがっていたのではなく、この事業を全うさせるために理事である必要があり、全ては心臓血管外科の設立で多くの命を救うことが真の目的であったこと。患者のために生きる、尊敬する父の姿は何一つ変わっていなかったのです。

海斗は「一方的に父を勘違いして、医師の夢をあきらめてしまった」のだという、取り返しのつかない誤った選択をしてしまっていた事実を突如突きつけられます。

地位と名誉に踊らされ、父は変わってしまったと思っていたけれど、変わってしまったのは自分だけだったとは……あまりにむごすぎる真実。

もしかしたらこの事実を知らないまま、父を憎み、記者として生きていた方が幸せだったでしょうか。それとも真実を知って、父への勘違いは解けたものの、自分の誤った選択を後悔しながら生きる方が幸せなのでしょうか。どちらも不幸が伴う辛い2択。

しかし父への誤解が解け、親子の心がつながり始める兆しを見せたかと思いきや、またも悲劇が起こります。

■数多の謎と、怒涛の展開に一気に引き込まれる

とある日、体調がすぐれず入院する智信の点滴に、何者かが細工し、智信は亡くなってしまいます。これは理事長の座を狙う市子にとっては千載一遇のチャンスです。葬式では次期理事の座を確固たるものとするために、喪主の挨拶を利用して参列者に盛大にアピールをするなど、人の死よりも自分の欲望を優先する厚かましさ。さすがフッ軽女。全てのチャンスを行動力でしっかり奪っていきます。

これには当然海斗もブチギレ。そして引きずり出された葬式後、海斗も何者かに薬で眠らされ、拉致されてしまいます。何が起きたのか分からないままとにかく数え切れないほどの伏線がぶち込まれた第一話。

誰が、何を目的に海斗を誘拐したのか。智信を殺したのは? たくさんの謎と怪しい伏線が各所に散りばめられており、ここからとんでもない展開になっていきそうな香りしかありません。

■目的が隠れていそうな女・陽月

海斗の彼女・陽月(芳根京子)も怪しさ満点です。マッチングアプリで海斗と出会った彼女ですが、彼女の勤め先は天堂記念病院。天堂家の誰かに送り込まれ、何も知らないふりをしてマッチングアプリから海斗に接触している可能性もあります。

または、当初は純粋な交際でも、交際をしった病院の何者かが権力を駆使し、彼女を利用していることも考えられます。他にも陽月は妙に海斗を通して理事長である父に会おうとしているようにも見えました。

海斗が初対面の時に、顔を見て逃げたのは、表向きは「アプリが初めてで緊張した」と言っていましたが、それだけが理由ではないようにも思えます。

実際は海斗を目前にして任務に怯えたのか、その時は純粋に恋人を探す目的だったけれど、顔を見て天堂記念病院の理事の息子だと分かって逃げたのか。

目的はまだ謎ですが、両親が亡くなっていることや妹が心臓病を患っていることもキーになりそうです。何者かに「先ほど残りのすべては振り込みました。今までお世話になりました」という電話をしていた点も気になります。バックに誰がいるのか、要注意です。

■謎が多すぎるイケメン医師の存在

心臓血管外科設立のために智信が引き抜いたイケメン医師・大友(錦戸亮)の存在もまだ謎が多く気になる存在です。智信が引き抜いた人物にも関わらず、智信が亡くなった直後、会長が突如プロジェクトの責任者に大友を推したことはとても不自然に感じます。

当初会長は、その件に関しては智信に全てを任せており、そこには口出しをしないスタンスでした。海斗を抜擢したいという構想も分かっていたはず。

しかし、智信が亡くなるや否や、その考えを全て無視した異例の人事はいつから構想が練られていたものなのか。大友は智信側の人物かと思いきや、突然見せつけられた会長と大友のつながり。会長とはどのような関係があるのか、まだまだ気になる点がたくさんあります。

■タイトルの意味とサブリミナル全裸

タイトルになっている『Re:リベンジ』。Re:がつく、ということはただのリベンジではなく、リベンジに対する返信ということ。智信の心臓血管外科立ち上げという大きな野望は、智信の後悔に対するリベンジです。父が亡くなった今、そのリベンジに対して、海斗が父の意思を継ぎ、返信する形でさらなるリベンジが巻き起こるということなのでしょうか。

次回予告にサブリミナルのように一瞬入れ込まれていた、「会長が高層階の大きな窓から全裸仁王立ちで下界を見下ろしていた映像」が脳裏にちらつきつつ。次回、たくさんの謎がどう回収されるのか、さらに謎が深まるのか。楽しみに待ちましょう。

参照元https://dailynewsonline.jp/