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気候の錬金術。大気中の二酸化炭素を超強度の極細繊維に変えることに成功

気候の錬金術。大気中の二酸化炭素を超強度の極細繊維に変えることに成功
気候の錬金術。大気中の二酸化炭素を超強度の極細繊維に変えることに成功

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電解触媒(青い火花)と熱触媒(赤い火花)で二酸化炭素からカーボン・ナノファイバーが作られるイメージ / Zhenhua Xie/Brookhaven National Laboratory and Columbia University; Erwei Huang/Brookhaven National Laboratory

 アメリカの研究チームが、気候変動を引き起こす二酸化炭素から炭素を取り出して、超強力なカーボン・ナノファイバー(直径が100ナノメートル未満の炭素の極細繊維)に変える画期的な方法を考案したそうだ。

 現時点では厄介者扱いしかされない二酸化炭素を有効利用できれば、地球温暖化の防止対策にもなって一石二鳥だという。

 米国ブルックヘブン国立研究所とコロンビア大学のチームは、従来の脱炭素技術をマルチステップ化することで、これまでよりずっと低い温度でそれを実現することに成功した。

 そうして作られるカーボンナノファイバーは、コンクリートの強化剤などとして利用できるという。

・大気中の二酸化炭素をカーボン・ナノファイバーに変換
 地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を空気中から取り出す方法は、さまざまな研究者が取り組んでいるテーマだ。

 そして今回、画期的な方法が考案された。

 ブルックヘブン国立研究所とコロンビア大学のチームが考案したのは、電気化学反応と熱化学反応の両方を利用することで、比較的低い温度で二酸化炭素をカーボン・ナノファイバー(直径が100ナノメートル未満の炭素でできた極細繊維)に変えるというものだ。
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photo by iStock・電気触媒と熱触媒を組み合わせた連携プロセス
 これまでも二酸化炭素をカーボン・ナノファイバーに変える試みはあったが、そのためには1000度以上もの高温が必要だった。

 今回の研究チームは、ちょっとした工夫をすることで、もっと低い温度でナノファイバーを作り出すことに成功している。その工夫とは、生成プロセスをいくつかのステップに分けることだ。

 「反応をいくつかのサブ反応ステップに分ければ、各サブステップでいろいろなエネルギー投入や触媒を試すことができます」(コロンビア大学&ブルックヘブン国立研究所 シエ・ジェンファ氏)

 最初のステップでは、炭素の上に固定されたパラジウムを電解触媒として使う。そこに電流を流すと、二酸化炭素と水が一酸化炭素と水素に分解される。

 お次は、鉄とコバルトの合金から作られた熱触媒を使う。すると第一ステップでできた一酸化炭素からわずか400度でカーボン・ナノファイバーが紡ぎ出される。
 「電気触媒と熱触媒を組み合わせた連携プロセスで、どちらか一方のプロセスだけでは無理なことを実現しています」(カリフォルニア大学&ブルックヘブン国立研究所 チェン・ジングァン氏)

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image credit:Zhenhua Xie/Brookhaven National Laboratory and Columbia University; Erwei Huang/Brookhaven National Laboratory ・リサイクル性も非常に高い
 このアイデアが優れているのは、これまでより半分以下の低い温度でカーボン・ナノファイバーを作れることだけではない。リサイクル性が非常に高いのだ。

 カーボン・ナノファイバーができた後、表面から触媒が押し出されるので、これを再利用できる。さらに第一ステップで生成された水素を回収し、燃料にすることもできる。
実用化するには、二酸化炭素フットプリント解析と触媒リサイクルのどちらも大切です(チェン氏)
 カーボン・ナノファイバーは非常に強力で、例えばコンクリートの強化材など、様々な用途に利用できるとのこと。
そうすることで50年以上は炭素をコンクリートに閉じ込めておけるでしょう。それまでには、世界は炭素を排出しない再生可能なエネルギー源に移行しているはずです

参照元https://dailynewsonline.jp/