NH大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜、後8・00)で、権力闘争に翻弄(ほんろう)されてきた二代目鎌倉殿・源頼家が、28日放送の第33回「修善寺」で運命の時を迎える。若くして父・頼朝の後を継ぎ、大人たちの思惑に振り回されながらも強くあろうとする姿を好演したのが俳優の金子大地(25)。このほど、デイリースポーツなどのインタビューに応じ、主演の小栗旬(39)の言葉で大役を全うできたことを明かした。
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頼家は側近たちの合議制に振り回され、反発し、苦悩してきた。前回は、病床から復活したかと思えば妻や乳母夫の比企能員らが死んでいるという残酷な展開。各一族の綱引きに巻き込まれながら、不安を必死に飲み込み、将軍たろうとする姿を、金子は凜とした目力で表現してきた。
演技派に囲まれた初の大河を「怖かった。圧がすごいので。頼家はどうだったのかな?僕は背伸びした状態で臨んでましたね」と振り返る。自身と役を重ねるかのように「常に自信がなかった。ずっと『これでいいのかな?』って気持ちは抱えてました。今の僕の心境をそのまま役に乗っけちまえみたいなところはあったような気がします」と、すがすがしい表情を浮かべた。
金子の葛藤を主人公・北条義時役の小栗は見抜き、自信なさげに映る後輩の背中を押してくれたという。
「リハーサルをやっていても全然できなかったなとか、どこか自信をなくしていたんですけど、小栗さんがちょっとだけサシでご飯に連れて行ってくれて『大地は好きなようにやっていいよ。自信持って、自分の好きなようにやればいい。撮って満足できない時、言いづらかったら俺に言ってくれたら、もう1回やりませんか?って言うから、何でも言ってくれ』って。あの時の小栗さんの優しさに救われましたね」
モヤモヤは「そこから吹っ切れた」と感謝する。強さともろさが共存する頼家という難役に別れを告げ、「あの人がいなかったら演じきれなかったんじゃないかな」と、座長の偉大さをかみしめた。
◆金子大地 (かねこ・だいち)1996年9月26日生まれ、北海道出身。2014年、アミューズオーディションフェスの俳優・モデル部門を受賞しデビュー。19年、「腐女子、うっかりゲイに告る。」でドラマ初主演。主な出演作はドラマ「おっさんずラブ」、初主演映画「猿楽町で会いましょう」など。フジテレビ系ドラマ「魔法のリノベ」が放送中。