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image credit:AAP Punjab/Twitter
インドのパンジャーブ州を流れるカリベイン川は「聖なる川」と呼ばれているが、長年にわたり集落からの下水が流れ込んでいたため、20年前から浄化プロジェクトが実施されていた。
今年、そのプロジェクトが22周年を迎えたとして、州の首相がキャンペーンアピールの一環のために川の水を飲んだところ、激しい腹痛を起こし病院に搬送される事態になったという。
・川の水を飲んだ首相、激しい腹痛で病院へ
インドのカリベイン川は、北西部パンジャーブ州を含んで160km以上に及ぶインドの4つの地域にまたがり流れ、「聖なる川」と呼ばれている。
この川の清掃・浄化プロジェクトが開始されたのは、今から22年前の7月のことだ。
支援者たちと一緒に立ち上がった環境保護論者が、「川とその周辺を綺麗にしよう」という目的で川の周辺の雑草を除去し、水を処理し、清掃の必要性に対する認識を広め始めた。
当時は、政府の支援なしで活動が行われていたが、2006年に当時の大統領が彼らの仕事を称賛したことで、プロジェクトに拍車がかかり、現在はパンジャーブ州全体のプロジェクトになっていた。今年7月17日、州のバグワント・マン首相がいかに川の浄化が進み、水がきれいになっているかを証明する為、コップに川の水を汲んで飲んだ。
しかしその2日後、マン首相が病院に搬送されたと報じられたのだ。 ・川の浄化アピールがとんだ結果に
地元メディアが伝えたところによると、マン首相は聖なる川の水をコップで飲んだ2日後に、自宅で激しい腹痛に見舞われたという。
急きょ、マン首相はヘリでデリーの病院へ搬送され、検査が行われた。
にもかかわらず、マン首相が所属するアーム・アードミ党は、「マン首相が病院に行ったのは、定期健康診断であり、川の水を飲んだことと関係性はない」と主張している。
だが、定期健診だけでヘリコプターを出動させるというのもおかしな話で、腹痛のタイミングからすると、やはり川の水を飲んでしまったことが原因と推測されているようだ。川の浄化は、20年以上のプロジェクトによってある程度は進展していたものの、まだ完全とは言えない状態だ。
今でも3つの地区の約73の村から下水が川へ流れ込み、水中の酸素不足で毎年多くの魚が死んでいる状態が続いているという。
アピールのためにと行ったパフォーマンスがとんだ結果を招いてしまったようだが、幸いマン首相は21日には退院したということだ。