新型スズキ クロスビーHYBRID MZ
フルモデルチェンジ級だがあくまでも大幅改良
スズキは10月2日、新型「クロスビー」を発表した。 クロスビーは2017年12月に登場したコンパクトSUVだ。丸目の可愛らしいデザインとシルエットから“デカハスラー”とも呼ばれているが、スズキはワゴンのパッケージにSUVの楽しさを融合した新ジャンルの「クロスオーバーワゴン」と表現する。 【画像】これが“ほぼ”全面改良の新型「クロスビー」の内外装です(62枚) スズキによると、デビュー当初ライバルはほとんどいなかったものの、今では全長4.3m以下の小型SUV市場は約5.4倍にも拡大したそうだ。
4.3m以下のSUVと言えば、トヨタ「ヤリスクロス」や「ライズ」、日産「キックス」、マツダ「CX-3」といった売れ筋モデルが揃う激戦区。ヤリスクロス単体の販売台数は非公開だが「ヤリス」の50%以上を占めるとも言われており、ライズもよく売れている。さらに少しサイズを拡大すればホンダ「ヴェゼル」など入ってくる。 デビューから8年が経過したクロスビーは、月販1000台程度が継続的に売れているとはいえ、ライバルとの台数差は歴然。基本設計に古さは否めず、インドから鳴り物入りで新型「フロンクス」が上陸したことも相まって、日本専売のクロスビーはこのままフェードアウトするという向きも多かった。
そんな中登場した新型クロスビーは、従来の“カワイイ系”というイメージを残しながらも、SUVらしいタフなイメージを強調してきた。同社のラインアップには、都会的なフロンクスと本格クロカン「ジムニーシエラ」「ジムニーノマド」が存在し、その間を埋める強固な布陣が完成したことになる。 「初代はきちんと現代に通用する価値を持っていた。ただ、競合メーカーも良い商品を出して、時代とともにニーズが変化しそっちの方が実際に大きな市場になっている(クロスビーのチーフエンジニア・飯田茂氏)」 なお、新型クロスビーは、パワートレインや足回り、(ドアは共通ながら)デザインに一通り手が入っているものの基本骨格は同じなため、あくまでも“フルモデルチェンジ相当”の改良だそうだ。
強みを活かしつつ徹底的にネガを潰す
新型クロスビーは、ダウンサイザーの受け皿として従来モデルの良さを残しつつ、徹底的にネガを潰してきた印象だ。 「人口マッピングを見ると、団塊ジュニアの世代がミニバンから(コンパクトSUVに)乗り換えている。ここにはかなりのニーズがあって、スズキには『ソリオ』もあるので、その受け皿として(クロスビーとソリオで)しっかりと取り込んでいきたい(飯田氏)」 前述したアイコニックな丸目のフェイス、クラストップレベルの室内長や後席のスライド機構といった使い勝手、取り回しの良いボディサイズなどはそのままに、エクステリアは角丸の四角をモチーフにタフでSUVらしく、インテリアにはセンターコンソールを追加し合皮をふんだんにあしらうなど上質感を高めている。メーター表示のグラフィックも、かなり上品な印象だ。 「ミニバンユーザーもしっかりと満足できるように、各部の質感を高めた(飯田氏)」 また、ウィークポイントであった燃費性能も、パワートレインを一新することで約25%高めている。 従来の1.0L直列3気筒ターボ「K10C型エンジン」のマイルドハイブリッド仕様から、「スイフト」や「ソリオ」にも搭載される最新の1.2L直列3気筒「Z12E型エンジン」へと置き換わり、燃費はマイルドハイブリッドを組み合わせ22.8km/L(2WD)を実現する。 なおAT派には残念だが、ミッションはCVTへと改められた。燃費だけでなく変速ショックをなくし質感を高めるためだそうだ。 さらに、基本骨格は同じながらも、減衰接着剤を新たに採用することで剛性と静粛性をアップさせ、サスペンションもリセッティング。 今回はあくまでも“撮影会”だったので走りの評価はできなかったが、スズキによると操舵時の応答性や直進安定性、乗り心地も向上しているそうで、登場から8年経つのに相応しい“フルモデルチェンジ級”の改良を果たしている。
「ハスラー」と決別し小型SUVのど真ん中を狙う
安全装備に関しても、ステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」から単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた「デュアルカメラブレーキサポートII」へとアップデート。 「ブラインドスポットモニター」や「車線逸脱抑制機能」などを追加し、電動パーキングブレーキの新設定と相まってアダプティブクルーズコントロールが完全停止保持機能付き(上級グレードのみ)に進化するなど、コンパクトSUVとしての商品力を強化している。 なお、クロスビーという車名は「X(CROSS OVER)to Be Exciting」からの造語だそうだが、新型ではクロスビーをモチーフにしたみみずくのようなキャラクターを新たに制作し、独立した1モデルとしてもう一度ブランディングし直すという。 「コンパクトSUVとして(スズキには)都会的なフロンクスと、その対極にジムニーシエラとノマドがどっしりと構えているので、そことしっかりと並ぶという意味でも“小型車”であることを打ち出していく(飯田氏)」 軽自動車である「ハスラー」の“派生モデル”という従来のイメージからの脱却を狙った新型クロスビー。従来モデルの良さを残しつつ、コンパクトSUVのど真ん中でもう一度ライバルと真っ向勝負をするという。 なお飯田氏によると、価格は安全装備の向上の分多少は上がるが「予想の範囲内に収まるのではないか」とのことだ。アンダー200万円はこのご時世厳しいだろうが、あくまでも“フルモデルチェンジ級”の改良なので、従来モデルの良さの1つであったスズキらしいお手頃感にも期待できそうだ。
参照元:https://news.yahoo.co.jp/
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