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お施餓鬼とはどんな意味?お施餓鬼法要をお盆と同時期に行う理由は?

お施餓鬼とはどんな意味?お施餓鬼法要をお盆と同時期に行う理由は?

7月や8月には全国的に祖先の霊を祀るお盆の行事が行われる。お盆と同じ時期に行われるお施餓鬼法要(おせがきほうよう)をご存じだろうか。お施餓鬼とは、六道の一つである餓鬼道に堕ちてしまい苦しむ人たちに、お供え物をする行事である。どうしてお盆の時期に行われるのか、お盆の由来と共にお施餓鬼の由来を解説する。

■お盆の由来に関連するお施餓鬼

お施餓鬼を説明するにあたり、お盆の由来について解説する。インドの昔の言葉であるサンスクリット語にウランバナという言葉がある。これは逆さ吊りという意味である。この言葉を音訳し漢字に当てはめることで「盂蘭盆(うらぼん)」という言葉が生まれた。略してお盆と言っているが、寺では盂蘭盆会(うらぼんえ)と記載されているところもある。では、どうして逆さ吊りの意味を持つ言葉が使われているのか。それは。お釈迦様の教えである「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんえ)」で説かれている内容に由来する。

■仏説盂蘭盆経で説かれる教えとは

お釈迦様には多くの弟子がおり、その中に超能力の一種である神通力のちからがとても強い目連尊者(もくれんそんじゃ)がいた。ある時、亡くなった母の姿を神通力で見たところ、餓鬼道に落ちてしまい逆さ吊りにされ苦しんでいた。実は、母は子を思うあまり、我が子にはたくさんの食べ物を与え、他の僧に与えないという罪を犯していた為であった。目連は、母を助けるために食べ物や水を送るが、餓鬼道では口にするものがすべて炎になってしまう。お釈迦様に相談をしたとこころ、自分の母だけに施すのではなく他にも苦しんでいる者のために施しなさいと諭された。その後、目連は、雨期に修行を行う僧たちに、寝床と食事を提供したところ、僧たちの喜びが餓鬼道にも伝わり母親を救うことができたのである。このことから、お盆と餓鬼は関係性があり、お施餓鬼もお盆と同じ時期に行われるようになったのである。では、お施餓鬼にはどのような由来があるのだろうか。

■お施餓鬼の由来

お施餓鬼の由来は、「仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経(ぶつせつぐばつえんくがきだらにきょう)」に説かれている。ここではお釈迦様の弟子の一人で身の回りの世話をしていた阿難尊者(あなんそんじゃ)が主人公である。

阿難が静かな場所で坐禅をしていた時、目の前にとても恐ろしい餓鬼があらわれ、「おまえは三日後に死んで餓鬼になる」と言われる。餓鬼は、そうなりたくなければ朝に多くの餓鬼が食べる事ができるように、お供え物をたくさんするように命じる。しかし、阿難はたくさんの食べ物を用意することが出来ず、お釈迦様に相談をする。そこで仏の教えを信じる人々を供養する事と、特別な呪文をかけた供え物を餓鬼に施す事を教えられた阿難は、その通りに行うと餓鬼たちは救われ自身の命も救われたのである。この特別な呪文は、少量のお供えものでも、たくさんの美味しい食べ物となり多くの餓鬼を救うことができるものであった。このことから、お施餓鬼を行う事は善い行いであり、自分のご先祖様だけではなく、供養されることがない無縁仏様に対しても飲食を施すことで、ご先祖様だけでなく、自分たちが生きていることは、生きとし生けるすべてのものに対して感謝の気持ちを伝えることできるのである。そして、供養をすることが功徳となり、自分の救いにもなる大切な法要なのである。

■最後に

お施餓鬼については、自宅に僧侶を招いて行う他、寺院でも大々的に行われている。大阪市天王寺区の一心寺はおせがきの寺と称し、年中無休でおせがきを行っている。また、浄土真宗では、即身成仏の考えから六道は存在しないため餓鬼道に落ちる人はいないためお施餓鬼を行なわないことが多いという。

参照元:https://dailynewsonline.jp/