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山田裕貴「磯丸水産」で夢を語った下積み時代

山田裕貴
山田裕貴

第96回「磯丸水産

 アイドルだって飯を食う。年末になると、みんな1年の振り返りに熱心だ。11月に入り、「日経トレンディ」が選ぶ2021年の「今年の顔」が発表されたが、男性は俳優の山田裕貴、女性は女優の有村架純だった。

 31歳の山田は今年でデビュー10周年。19年のNHK連続テレビ小説なつぞら』で全国区となってから、格段に芸域を広げ、今年の実写映画No.1ヒットの『東京リベンジャーズ』では北村匠海と共に主役を張った。

ドラマ『ここは今から倫理です。』(NHK)でも主演を務め、ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞を受賞するなど好評だった。

 山田は名古屋出身。本人のTwitterからも地元でのラーメンの行きつけはつかめる。そして、愛知発祥のCoCo壱番屋崇拝者という立場も、自ら精力的に発信している。16年7月25日の投稿では、「パリパリチキンカレー 量 普通 辛さ 普通 Wほうれん草 チーズ トッピング」が好みだと綴っていた。

 他にもご当地銘菓の、さつま芋がふんだんに入った鬼まんじゅうが好物。「おれのだいすきな 鬼まんじゅうがトレンドいりしている 何事だ」と今年2月21日にツイートし、ファンも一気に沸いたが、前日放映の『秘密のケンミンSHOW 極』(日本テレビ系)で和スイーツ特集をした際、紹介されたからだ。そこでは名古屋の高級住宅街・覚王山にある「梅花堂」が取り上げられた。

 コント番組『LIFE!』(NHK)で共演した「ドランクドラゴン」の塚地武雅も今年6月28日、仕事で20年以上も名古屋を訪れているが、鬼まんじゅうを知らず、山田に薦められて食べてみたと感想をツイート。それを読んだ山田が「でら嬉しいがや~」と大感激のリツイートをしたのも話題となった。

 そんな名古屋に半年ぶりの1泊出張となったので、山田のお気にのラーメン屋(ちなみに通っていた高校にも近い上社の「高針めんや」)詣も目論んだが、パツパツのスケジュールで果たせずじまい。名古屋めし自体そこまで楽しめずに帰京し、テレビをつけると、ちょうど山田が『人生最高レストラン』(TBS系)に出ていたのだ。なんたる偶然!

 出身地ならではの、それでいてポピュラーな店名が挙がるだろうと期待した。だが、期待以上に庶民的な、しかも全国チェーンばかり紹介されるに至っては、ブレイクするまでの山田の苦労を忍ばずにはおられなかった。

 当然というべきか、CoCo壱が筆頭に挙がった。しかし、本連載ではすでに紹介済み。その他の関連エピソードは番組サイトで確認してもらうとして、現在のお好みトッピングは実に豪華で、「パリパリチキンカレー フィッシュフライ ほうれん草W チーズW きのこW」。学生時代や俳優として駆け出しの頃から徐々に、トッピングアイテムや量が増え、それが「俳優として一歩ずつ成長している自分を実感でき、嬉しくて仕方なかった」という。実に涙ぐましい。

 その大トリの前に順を追って紹介したのが、首都圏を中心に100店舗以上を展開する海鮮居酒屋の「磯丸水産」、そして、全国に290店舗あるNo.1しゃぶしゃぶチェーンの「しゃぶしゃぶ温野菜」だった。磯丸にはデビュー時の担当マネージャーとよく通ったので思い出深く、温野菜の鍋にハマったのは、元プロ野球選手の父、和利さんが決まって自宅で作るのが鍋だったからという。

 温野菜はかつて六本木店をプロデュースした矢口真里をはじめ、女性タレントにも人気なので、いつか別角度で取り上げようもあろう。

しかし、磯丸ラブを表明する、しかも、これだけの大物は今後現れないだろうから、とりあえず今回はそちらをメインにご紹介しよう。

 山田は磯丸ではまず、「釜揚げしらすとお葱のサラダ」を一人で二皿平らげ、名物「蟹味噌甲羅焼き」を必ずオーダーするようだ。甲羅焼きを突いては酒を呷り、マネージャーと夢を語らったという。山田が磯丸に入り浸っていた事実は、現に17年のバレンタインデーのこんなツイートからもわかる。

「そろそろ磯丸水産行きたいっす。寂しいっす! ひろみさんと行きましょう! 見てくれてありがとうございます! 5もよろしくお願いいたします」

 これはブレイク前の「ぺこぱ」のシュウペイの、以下のツイートに呼応した内容だ。ひろみとは元「第2PK」のひろみのこと。

闇金ドッグス4やっと見れたー! 安藤忠臣かっけんだよなチクショ!笑 たまに笑うんだよなー( ̄∇ ̄) 山田くん元気してっかなー?」

 安藤忠臣とは映画『闇金ドックス』シリーズで山田が演じる主人公の名だ。ちなみに同じ年の7月2日、山田はひろみとその彼女とも温野菜ディナーを楽しんでいる。彼らとはお互い雌伏の時が長かったから、格安チェーンで飲みながら夢を膨らませ、未来を語り合った。そんな積み重ねが俳優・山田裕貴の演技の幅に繋がっているのだ。

 

参照元https://dailynewsonline.jp/