プロボクシングの世界4階級を史上最速で制覇した前WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29)=畑中=が4日、名古屋市内で会見し、現役引退を表明した。「プロボクサー田中恒成はここで引退することをご報告させていただきます。たくさんの応援、ありがとうございました」と頭を下げた。
近年は網膜剝離を抱えながら闘っていたと明かし「けががすべての原因」と説明した。昨年10月に王座陥落。試合後に両目を手術したが、失明のリスクが残ることから再起を断念した。現在は「右目の視界が大きくゆがみ、両目で焦点を合わせることができない状態」という。
5階級制覇を目標に掲げ、同じ1995年生まれで元WBA世界バンタム級王者の井上拓真(29)=大橋=との試合も熱望していた。この世代は「黄金世代」とも呼ばれ、「切磋琢磨(せっさたくま)できたことは幸せで、僕の誇り」と話した。
「達成できなかった目標もあるので悔しさはあるけど、一番にあるのは悔しいよりも『ありがとうございます』です」とすがすがしい表情を浮かべた。今後は未定だが、「ボクシングが好きなので、これからも大きく関わっていきたい」と意欲を燃やした。(月僧正弥)
■田中 恒成(たなか・こうせい) 1995(平成7)年6月15日生まれ、29歳。岐阜・多治見市出身。2013年11月にプロデビュー。15年5月、日本男子最速の5戦目でWBO世界ミニマム級王座獲得。16年12月に同ライトフライ級、18年9月に同フライ級王座を獲得し、世界最速に並ぶ12戦目で3階級制覇。24年2月に同スーパーフライ級王座を獲得し、世界最速の21戦目で4階級制覇。プロ戦績は22戦20勝(11KO)2敗。右ボクサーファイター。164センチ。兄の亮明氏は東京五輪フライ級銅メダル。
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