中日は柳の125球熱投を見殺しにした(資料写真・黒田史夫)
明らかに柳は「ムッ」としていた。 5回を除く毎回走者を背負いながらも粘り強く投げて強力な阪神打線を5回まで無失点に抑え、1回に高橋のタイムリーでもらった虎の子の1点を守っていた。 だが、6回にまさかの悪夢が起きる。先頭の佐藤をインハイのストレートで詰まらせ、左中間への平凡な外野フライに打ち取ったかに見えた。次の瞬間、センターの花田とレフトの細川が交錯して転倒、花田のグラブに打球は入っていたが、衝突転倒のショックでこぼれ落ちた。その間に佐藤は三塁まで走り落球はエラーではなく三塁打と記録された。 動揺した柳は、続く大山に詰まらせながらもレフト前へタイムリーを落とされ、1-1の同点に追いつかれた。 中日スポーツなどスポーツ各社の報道によると、井上監督は「何しとんねんという見方をする人がいるかもしれないが、1個のボールに集中してセンターの花田と細川が交錯した。柳さんが頑張っているところで必死に守ってやりたいという気持ちが出てしまった」と2人をかばった。捕球者を決めるための声は出ていたという 現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は「センターが取るべき打球。約束事を徹底できていないミスだ」と指摘した。 「こういう打球についてはチームによって誰が声をだし、誰を優先させるかなどの約束事がある。左中間、右中間の打球に関しては、センターが“アイガリー”や"OK”といった声を先に出すとそちらに任せるというチームが多い。中日の約束事はわからないが、細川の守備範囲を考えると、たとえ花田がルーキーであろうとセンターに主導権を渡すのが通常。あれはセンターの打球だった。甲子園の歓声で声が聞こえなかったのかもしれないが、あれだけ高く上がった打球なんだから細川は、打球を追いながらも花田の動きも視野に入れておき花田に任せなければならなかった」 これを「何しとんねん」と総括していてば中日に明日はない。 さらに二死満塁とピンチが広がるも、柳は、近本をチェンジアップで空振りの三振に仕留め勝ち越しは許さなかった。6回125球1失点でチームの反撃に望みを託してマウンドを降りた。
だが7回に流れを阪神に明け渡す拙攻を演じてしまう。 一死から木下が内野安打で出塁。2番手モレッタから勝ち越し点を奪う糸口を作るも続く田中が走者を二塁へ進めることができなかった。初球にバントの構えをしながらも見送ってストライク。一転、2球目はバントの構えをせずヒッティングに出るも見送って2球で追い込まれた。 そして3球目のスライダーに手を出してセカンドフライに倒れた。 ここ6試合ヒットがない不調の田中に何の策も講じず、続く代打の大島も三振に終わった。 前出の評論家は「結果論ではなくこの拙攻で流れが変わった」と指摘した。 「初球にバントの構えをさせてストライクを見送らせた意味がわからない。阪神の新外国人のモレッタは、まだ不安定さがあるのだから、ここは、中途半端なことはせずバントで得点圏に走者を進めてプレッシャーをかけておかねばならなかった。まして田中の打撃状況は悪い。そして田中に小細工をさせるつもりでいたのなら、木下に代走を送っておくべきだったが、それもしていない。まったく不可解。こういうことをすると流れが変わる」 その予告通りに7回に最悪の結果が待ち受けていた。 この回から登板した根尾が一死から森下に左中間へ勝ち越しの7号ソロを浴びたのだ。初球のほぼど真ん中へ投じた150キロのストレート。 井上監督は「初球だからね。もうちょっと警戒して投げるべきだった」と苦言を呈した。 お立ち台に上がった森下は「(そこまでの)3打席があまりにもふがいない結果だったんで、かなり集中して初球から振ろうと決めて打席に入った」と振り返っている。ただでさえ積極的な森下のその心理を中日バッテリーは読めなかったのか。 前出の評倫家は「前の打者の中野をスプリットで三振に打ち取っていた。ホームランだけは絶対に避けねばならない場面。今年の根尾はスプリット、スライダーでカウントを取れるようになっている。まずは外角の変化球、あるいは外角ストレートで様子を見るのがセオリー。なんのために木下に代打を出さずに捕手として残したのか」と指摘した。 救援防御率が6点台でブルペンが崩壊している現状の中でビハインドで起用していた根尾を同点の場面で起用したことには納得はできる。 だが、ホームラン部門でセ・リーグトップの森下を迎えるにあたって細心の注意を払うような働きかけをベンチがバッテリーに対して行っておくべきだっただろう。 連敗で借金は「9」となり早くも2桁借金が目の前に迫った。首位のヤクルトとは8ゲーム差。同評論家は厳しい言葉で中日の現状を表現した。 「こんな野球をしていたら中日は最下位を脱出できない」 今日18日の先発は連敗ストッパーのベテラン左腕の大野だ。
参照元:https://news.yahoo.co.jp/
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