19日、米ホワイトハウスで、高市首相との会談中に発言するトランプ大統領=ロイター© 読売新聞【ワシントン=池田慶太、坂本幸信】米国のトランプ大統領は19日の日米首脳会談で、対イラン軍事作戦の早期終結に改めて意欲を見せた。世界的なエネルギー危機、戦闘の拡大、同盟国からの冷遇という「三重苦」に直面する中、局面打開の糸口は見いだせていない。
「望めば、2秒でこの事態を終わらせることもできる」。トランプ氏は高市首相を迎えた大統領執務室でこう息巻いた。だが、約3週間前に始めた戦闘は激化をたどる。18日にはイスラエルとイランがガス田施設を互いに攻撃し、エネルギー市場が混乱した。
世界の5分の1の原油が運ばれる要衝ホルムズ海峡は事実上封鎖され、原油価格は高止まりしたままだ。ニューヨーク原油先物市場で代表的な指標となるテキサス産軽質油の4月渡し価格は、19日終値も1バレル=100ドル近い水準で、攻撃前から4割上昇した。
トランプ氏は首脳会談の冒頭、「(原油価格は)もっと悪くなると思っていたが、悪くはない。もうすぐ終わる」と虚勢を張ったが、世界的インフレ(物価上昇)は米国経済に打撃を与え、秋の米中間選挙にもマイナス材料となる。
ベッセント財務長官は19日、対イラン制裁を緩和し、原油輸出を一部認める考えを示した。市場供給を増やし取引価格を下げる狙いだ。ただ、米軍は先週、イランの原油積み出し拠点の島を攻撃して経済的締め付けを強めたばかり。場当たり的な対応には戦略不在との批判がある。
イランは周辺国の油田や空港を攻撃して戦闘を意図的に広域化させており、これに伴い米軍の戦闘範囲も拡大している。米軍制服組トップのダン・ケイン統合参謀本部議長は19日、イラクで親イラン民兵組織に空爆を実施したと発表した。米メディアは、政権がイランへの地上部隊派遣も検討中と報じている。
トランプ氏は首脳会談で、「イランは世界にとって深刻な脅威だ。事実上、全ての国が私に同意していると思う」と攻撃の正当性を改めて主張したが、北大西洋条約機構(NATO)の多くの国は距離を置き、米国は孤立を深めている。
「唯一の問題はホルムズ海峡だ」と語るトランプ氏は、同海峡への艦船派遣などの支援呼びかけに応じないNATO加盟国に対し、「私の態度を見て、彼らの態度ははるかに良くなった。だが、遅すぎる」と不満をあらわにした。20日にはSNSで「米国なしのNATOは張り子の虎だ!」と投稿した。
トランプ氏は19日、軍事作戦のため、連邦議会に追加予算を求める考えを記者団に示した。弾薬補充などが目的で、総額は2000億ドル(約32兆円)とも報じられており、トランプ政権は戦闘長期化を見据えた備えを強いられている。
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