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草なぎが 「罠の戦争」の現場で中村あゆみを聴いていた深イイ話

草なぎ剛
草なぎ剛

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ系)が佳境に差しかかった。すでに、3月上旬にクランクアップ。第1話からTwitterで世界トレンド1位になる最高の滑り出しで、以降もトップと2位を堅守。草なぎは、愛する息子を陸橋から突き落とした犯人を追及するために議員秘書から代議士となり、知略を尽くして悪しき政治家を失脚させていく鷲津亨を怪演。痛快エンターテインメント復讐作と呼ぶにふさわしい知力戦を制している。

 民放の主演ドラマはおよそ6年ぶりだが、演技力は折り紙付き。カンテレ制作の主演ドラマは通算8作目で、同局の最多記録を持つ。97年の「いいひと。」がデビュー作だったが、平均視聴率20.4%(関東地区、ビデオリサーチ社調べ)を記録。元SMAPでは木村拓哉と双璧をなす視聴率モンスターだ。

 ​ギター愛好家の草なぎ、アメリカで趣味と仕事を兼ねる強運発揮​​​

 ドラマ俳優、舞台役者として抜群の評価を得ている草なぎだが、ひと足早く目をつけたのは“鬼才”つかこうへい氏(62歳没)だった。10年に死去した劇作家で直木賞受賞作家。つか氏は草なぎの主演舞台「蒲田行進曲」(99年と00年)を演出し、「大天才」と称賛した。

 80年代から複数回舞台化されている同作で、草なぎは大部屋の俳優・ヤスの役柄を与えられた。ヤスの妻・小夏は、舞台経験が浅かった小西真奈美が演じた。初演時、草なぎは23歳。毎日、小西と口立てで練習し、1日10時間に及ぶこともあった。2人そろって役に入り込むあまり、稽古で涙を流すことが常態化していた。劇中で2人が歌ったのは、中村あゆみのヒットナンバー「翼の折れたエンジェル」。「罠の戦争」の撮影中、草なぎはこの曲や、つか氏を盛んに思い出していたという。テレビ誌の取材ライタ―が振り返る。

 「早朝撮影でつらいとき、頭のなかで『翼の折れたエンジェル』がリピートされていたそうです。YouTubeで探して、何度も聴いていた時期も。舞台のとき、千秋楽につかさんから、『何十年かたったときにお前らの頭に残ってるのは、この歌だけかもな。おまえらが大人になったとき、商店街かなんかをふらっと歩いて「翼の折れたエンジェル」が流れたら、思い出すのは舞台じゃなくて、この歌だけかもしれねぇな』と言われたそうで、クランクインして毎日現場に通っていたときは、この言葉を思い出していたといいます」

 来年は、映画「孤狼の血」や「死刑にいたる病」を撮った白石和彌監督とタッグを組んだ「碁盤斬り」が公開される。俳優としては青天井。草なぎを求める有能クリエイターは後を絶たない。

参照元:https://dailynewsonline.jp/