将棋の藤井聡太王将（２０＝竜王、王位、叡王、棋聖との五冠）が羽生善治九段（５２）の挑戦を受ける第７２期王将戦七番勝負第５局２日目が２６日、島根県大田市「さんべ荘」で指され、藤井王将が１０１手で勝利。対戦成績を３勝２敗とし、防衛に王手をかけた。
過去４局はすべて先手番が制し、迎えた第５局。後手番の羽生九段が得意の横歩取りに誘導し、序盤から激しい戦いとなった。１日目終了の時点で若干有利とみられていた藤井王将は、２日目も強い攻めの手を連発。優位を拡大した。
だが、羽生九段に粘り強い指し回しから反撃を浴び、形勢逆転を許す局面も。「自玉の（受けの）まとめ方がなくなってしまったので、失敗しているのかなと思っていました」と、苦戦を意識していたことも明かした。
それでもその後、羽生九段が受けに回った手に乗じて再逆転。最後はきっちり羽生玉を即詰みに討ち取った。第６局（３月１１、１２日・佐賀県上峰町「大幸園」）には王将初防衛がかかるが、「あまりスコアを意識せずに、精いっぱい頑張りたいと思います」と、あくまで淡々と話した。
敗れた羽生九段は「早い段階で前例のない形になって、そこからは手探りでやっていたという感じでしたけど、あまり自信がない局面がずっと続いていたのかな」と回顧。次局に向けては「しっかり調整して、いい将棋を指せるように頑張ります」と前を向いた。
