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フジツボから着想。ひどい出血もすぐに止まる最強の医療用接着剤が開発される

ひどい出血もピタリと止まる接着剤が開発。フジツボから着想"
 アメリカ、マサチューセッツ工科大学(MIT)で新たに開発された医療用接着剤は、傷口に塗れば、激しい出血でもわずか15~30秒で止めてしまうという。止血剤が使用できないような血まみれの患部にも使用できるそうだ。

 出血多量が死因となるケースも多いが、この接着剤があれば防ぐことができるかもしれない。開発のヒントになったのは、船や海岸の岩場にびっしりと張りついているフジツボだそうだ。


・ひどい傷口でも15~30秒で出血を止める接着剤
 現在の医療の現場では、怪我や手術によってできた傷口からの出血は、「止血剤」によって処理されるのが一般的だ。

 止血剤は血液を固めることで出血を止めてくれる。しかし効くまでに数分かかることもあるし、出血がひどすぎるときには使えないこともある。

 しかし『Nature Biomedical Engineering』(8月9日付)で紹介されている医療用の接着剤ならば、止血剤が使えないようなひどい傷口でも15~30秒で出血を止められる。・自然に分解され、炎症も起きない
 それだけではない。一度塗れば数週間はそこにとどまり、傷口が治った頃に分解されて自然に消えてしまうので、わざわざ剥がす必要がない。

 ペースト状なので、不規則な形の傷口にも使えるし、ついでに周囲の組織に炎症を起こさないという点でも安心だ。

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photo by iStock

フジツボから着想
 開発のヒントになったのは、海に生息するあの固着動物、フジツボだという。この貝のような、ときに不気味なクリーチャーにも見える生物は、表面の水分や汚れなど物ともせず、濡れた岩場にがっちりと張りついている。普通の接着剤ではほとんど不可能な芸当だ。

 その秘密を探るため、ユク・ヒョヌ氏らがフジツボの文献を調べてみたところ、どうやら彼らは2種類の液体を分泌しているらしいことが判明した。1つは水分を弾いてしまう油分、もう1つはピッタリとくっつくためのタンパク質由来の接着剤だ。

 これをモデルにして医療用接着剤がつくられたのは2019年のこと。しかし、このときは両面テープのようなものだった。

 ユク氏らはこれを改良するために、接着剤を凍らせてから小さな粒子に破砕。それをシリコンオイルに混ぜてペーストタイプの接着剤を開発した。

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image by:bioengineeringcommunity

・既存の止血剤よりも効果的
 これがフジツボの分泌液と同じように作用する。オイルが血液を弾き、そのあとで極小の粒子が互いに結びついて傷口を塞ぐのだ。

動物実験では既存の止血剤よりも効果が高く、しかも強力な抗血液凝固剤で血液が固まらないようにされていても、きちんと出血を止めることができたという。

 まさに医療用の瞬間接着剤である。生物から着想を得たバイオミメティクスは、様々な技術開発に生かされているが、フジツボもついにその仲間入りを果たしたようだ。

 

参照元https://dailynewsonline.jp/